2026年7月15日京都市議会・文教はぐくみ委員会の大要 作成:日本共産党京都市会議員団事務局
桃陽病院の視察から見えたこと、かけがえのない存在
●桃陽病院は、深草大亀谷の丘の閑静な住宅街と森の間にたたずむ素敵な病院です。検討会で院長先生は「保護者が精神疾患であったり、虐待、家族間の不和、DVといった逆境的な養育環境や貧困を抱え、さらに発達障害や心身症などの複合的な要因によって登校できない、社会的に弱い立場の子どもたちを受け入れ」てきたことなどもご紹介されていました。併設する桃陽総合支援学校と一体になって子どもとその家族を支える、なくてはならない場所です。
●去る6月29日、我が党議員団として現地を視察させていただきました。現場で子どもたちと接する医師、看護師、保育士、学校の先生方の姿に、そして何より生き生きとした子どもたちの姿に大変感銘を受けました。老朽化で困っていたエアコンも、局などの努力で改修されており、検討委員が指摘するように、巨額の大規模改修をせずとも工夫した改修で十分活用できる大変良い状況で大切に使われて来た施設です。いま、入院している子どもたちにとって、ここは本当に唯一無二のかけがえない病院と考えますが、本市の認識をお聞かせください。
【答弁➜子育て支援担当部長】 桃陽病院は、開設から40年以上経過している。施設設備の老朽化、患者の減少傾向などさまざまな課題を抱えているので、包括外部監査令和5年度においても、「在り方の検討が必要」との意見が付された。こうした状況を踏まえ、現在、在り方に関する検討会を設け、専門家・有識者の方にご議論をいただいている。 議員にも評価いただいている通り、現場は、日々診療に全力で取り組んでおり、小児結核保養所として開設された当時から、慢性疾患の患者さんの入院治療、指導に大きな役割を果たしてきたと考えている。 しかしながら、申し上げた課題とか、喘息やアトピー性皮膚炎などアレルギー性疾患に対する医療技術の進歩に伴う入院から在宅への転換を受け、この間、患者数の減少が続いてきている。先日、第3回検討会でも示したが、令和7年度の入院患者は1日あたり1桁9.5人となった。さらには、あの建物は、40年経過している。空調については、日々の入院治療に差し支えるということで、緊急の改修を行ったが、内装や給排水、電気設備などあらゆる点で不都合が生じたり、その可能性がある。先日もご覧いただいたかと思うが、直近でも玄関のエントランスの屋根が一部崩壊するなどしており、在り方検討はまったなしではないかと考えている。現に、先日の検討会においても、ある委員からは「この時期まで京都市がこの状態で色々やってこられたのかもしれないが、やはりここまで来てしまっているということを通感している」として、今まさに検討が必要だという認識を表明いただいた。議員からも常々おっしゃっているが、子どもたちの最善の利益、それも、今の患者さんだけではなくって、将来のお子さんたちにも責任を持つという観点からも、在り方検討を放置したり先送りしたりすることはできないと考えている。
複合的セーフティネットを「赤字」扱いするのはおかしい
●改修について、公共建築とか京都市の中の技術者の意見もしっかりやって直営でやったら実はもっと安くできるんじゃないかと率直に思っているところです。 京都市は、この病院に関して「年間約2.5億円の赤字(補填)は現行体制のままでは改善せず、持続困難」だと主張され、病院を廃止して、他施設への「代替施設」への振り分け、児童相談所等への予算再配の根拠にされています。しかし、率直に思うのは、2億5千万円の赤字のどこがダメなのかということなんです。 検討会でも院長先生がお話されていたように「環境の変化が苦手な患者や保護者への対応は難しく、また、当院では入退院を繰り返しながら長期入院となるケースが多い。一般的な病院や精神病院では通常3か月で入院を打ち切られるため・・・行き場を失うような形になることを懸念している」と述べられておりました。 発達障害を中心に見ていた医師の後任が4か月間決まらなかった時期には、医療機関や児童相談所などにお願いをして、場合によっては半年先の予約になるなど、当事者の方はもちろんのこと、関係機関にもかなりの無理をお願いしたということでした。この事実をもってしても、私は「桃陽病院」に2億5千万円使うことは、税金の使い方として市民に胸を張れる中身だと考えます。 桃陽病院は「医療・療育・教育を一体的に提供できる全国的にも極めて貴重な資源」であり、この複合的なセーフティネット機能を「病院単体の経常収支」だけで評価すること自体が根本的に誤りと考えますが、いかがでしょうか。
【答弁➜子育て支援担当部長】 検討会で示している改修費用については、第2回の検討会の資料編の通り、既存建物の躯体は継続使用が可能であると想定するなど前提条件のもと、実際の工事単価の実情とか、あるいは、東京都の単価表などを客観的なものに基づいて試算している。検討段階としては十分な確度があるものと認識している。なお、昨今の中東情勢に基づく物価高等の影響は加味されていないので、さらに上振れすることが予想される。 桃陽病院の赤字については、そもそも人件費を含めた収支差を問題にしているわけではない。一般会計の施策なので、独立採算を前提として検討しているものでもない。一方で、桃陽病院を運営するために年間2億を超える税金を投入していること。一方で、入院患者が減少し、1日あたり1桁になったという現実、これは直視する必要があろうかと考えている。その上で、施策の在り方として、今のままでいいのか検証することは、これは当然の取り組みだと考えており、検討会においても、この「2.5億円の赤字が出るのであれば、今後の桃陽病院がどうなるか分からないが、他の子ども施策、発達障害等を持った子どもたちの支援のために使えるのではないかと思う」といった意見も出ておりました。 なお、先日陳情文書表では、「検討会の席上にあっても経済的観点のみから、施設の存廃を論じるような委員の発言があった場合、市当局が人権の担い手たる地方自治体の職責を全うすべく既然と反論いただきたい」というような、記載もございましたが、先ほど申し上げましたような年間2億円超の税金を投入していること。あるいは入院患者数が減少していることといった課題を覆い隠すようなご指摘は、ちょっと危惧する。こうした点を踏まえると、税投入あるいは入院患者数を踏まえ、今のままで良いのか、より効果的な在り方がないのか、検証することは必要なことと考えている。
患者減の一方で、児童精神科病床の不足とセーフティネット崩壊への懸念
●検討会の中身を何度か拝見しましたが、なかなか豊富な中身なんですけど、患者数の減少に関しても、平均で9.5人という話しだったが、例えば、夏休みに家に帰ったりとか、土日に家に帰ること自身が、治療の中での非常に重要な位置づけになっていたりということで、なんかまるで、一桁しかいないみたいなイメージになると、不正確だと思っていて、実際には十数人いるけれどもの、平均にしたら、9.5であったり、年度末にむけてだんだん、だんだん増えていって、また、卒業を区切りに、年度切り替わりを区切りに減って、また、ちょっとずつ受け入れて増えていく傾向があるので、データ的に9.5と言わざるをえないが、その一人一人の入院する子どもたちにとっては、0.5人という人がいるわけではないので、一人一人に名前があって、一人一人に事情があって、必要があって入院される。そういう評価をしていただきたいと思います。他の委員の方にも理解いただけたらと思う。
●この入院患者の減少に関しても、6・7年前に常勤医体制が1人になった段階で、院長先生が外で回ってアピールされていたが、そういう余裕がなくなってしまったということも言っておられました。また、小児科医の分野でも看護の分野でも、なかなか桃陽病院のこと自身があまり知られていないということが言われていました。私自身も名前は知っていましたけど、一体どんな医療をしているのかっていうのも、よく聞いた上で初めて知る部分もありまして、他の事例を見ましたら、やはり希少な病院であると思いますし、非常に重要な実践もされているということで、やっぱりそのこと自身がまだまだ知られてないと思いますし、もっと知らせていく必要があるんじゃないかなと思います。その点では、やっぱり京都市総体として、もっと知らせるっていうのをやったら、もっと、実は救われる子がいるのではないかということを思うわけですが、この点はどうか。
●しかも、検討委員の方が指摘している通り、京都市内には児童精神科の入院を受け入れている専門病棟(児童・思春期精神科入院医療管理料の算定病棟)が存在しないと。その結果、入院治療が必要な子どもが半年以上も他府県の施設で入院を待たされているという深刻な医療難民化が生じています。さらに「児童相談所の一時保護所は定員超過しており、医療・福祉・教育が連携した受け皿の維持が不可欠」ではないかという指摘もあるわけです。 つまり、桃陽病院の入院機能をなくすことは、単にひとつの公立病院が消えるだけではなく、すでにパンク状態にある児童相談所や福祉施設へさらなる負荷をかけ、子どもの社会的養護のセーフティネット全体を崩壊させる引き金になりかねないと考えますが、いかがでしょうか。
【答弁➜子育て支援担当部長】 2点ご質問いただいた。1つ目ですけれども、病院の知名度をもっと周知したら入院増えるのではないかという点。病院の周知については、これまでも院長がそれぞれの学校に出向いて病院の診療内容について、丁寧に説明するなど、現場サイドで最大限取り組んできたもの。また、令和5年度の包括外部監査の指摘もございましたので、私どもとしても、一緒になって検討してきた。 一方で、第3回の検討会においては、仮に患者数が過去の利用状況まで回復した場合であっても、現行の収支構造の元では大幅な経営改善にはつながらず、病院運営上の課題が解消されるものではないことも同時に示されている。 また、課題だが、患者数だけではなく、老朽化とか、あるいはドクターそのもの、非常に人材確保が困難なところ。そういった複合的な課題を抱えているので、検討会に必要な機能を将来にわたって、どのような形で持続的に確保していくかという観点からご議論いただいている。 それから、児童を対象とした入院入所の施設について。まず、入院について、京都・乙訓医療圏域において、病床確保については、京都府の所管になりますけれどもの、京都府が定める医療計画においては、「病床の過剰地域」と指定されている。このため医療計画上、必要な病床はもう十分確保されているという位置づけで、検討会でも議論のあった児童思春期病床も始め、病床の新設は困難かと考えている。 また、検討会においても、発達障害や不登校への対応を必ずしも病院の入院治療の形で行う必要はないのではないかといった趣旨、あるいは京都府洛南病院で、児童思春期病床の新設計画がある。こうしたものも考慮する必要があるといった趣旨のご意見があった。一方で、児童福祉施設等の入所ニーズについては、これまでから対応してきた。議員ご紹介の一時保護の課題につきましても昨年度、ご議論いただきまして、一時保護専用棟など、計画に基づく取組みを進めている。今後とも、家庭的な養育環境の確保には留意しながら、必要な対応は行ってまいります。
児童精神医療の構造的課題と国・府への働きかけ
●病床の問題で、過剰であるという話があるのですけれど、それは精神科全体であって、今回の検討会の資料でも、「児童思春期精神疾患の診察、診療、入院ができる医療機関が少なく」と記載がある。だから、児童のくくりでみると、やっぱり不足してるっていう風に見なあかんのちゃうかと、私、資料を読み込みまして思いました。
●それから、その点は京都府の所管になりますけど、そういう病床の在り方については、よく相談したらいいんではないかと思いますし、ちょっと、この診療報酬そのものが、ちょっと児童関係では、他で色々努力されているところもあるけれど、やっぱり病床の単価が低いと安いと言われていて、やっぱり、ちょっと京都市の桃陽病院自身が問題なのではなくて、構造的に不利な立場に置かれているんじゃないかなと。必要なんだけれども、医療の点数が低いというところは、それはそれで別の問題として京都市としても言ったらいいんじゃないかなっていうことを率直に思いました。是非、これ取り組んでいただきたい。
卒業生たちの切実な声と今後の検討への要望
●最後に、6月13日に緊急シンポジウム「桃陽病院のこれからを考える」があり、そこに紹介いただいたたくさんの卒業生の声を一部紹介して質疑を終えたいと思います。
・「中学生の頃、桃陽病院に入院していました。当時の私にとって、この病院は単に病気やけがを治すための場所ではなく、安心して学校生活を送るための心のよりどころでした。病院と隣接する学校があることで教育が密接につながり、私のような支援を必要とする子どもたちが、社会から切り離されることなく学ぶことができました」
・別の方は、「小学校3年生で桃陽病院に入院し、私の人生はがらりと変わりました。学びながら治療を受けられるという環境は安心につながり、「病気を理由にあきらめる」という選択が少なくなったのです。少し小走りするだけで発作を起こし、入院していた人間が、バスケや水泳、リレーまでできるようになりました。・・・学力・生活力・協調性・コミュニケーション力を、病気が悪化するかもしれないという不安に駆られることなく身に着けることができる」「私の家庭環境は決して普通とは言えず、桃陽で過ごした日々こそが私の生活の場であり、今の私の活力です。親同然の先生、担当医、看護師、保育士、カウンセラーの人々のいる桃陽は私を私たらしめる最大の要因なのです。心のよりどころなのです。」
・別の方は、「3年間、桃陽病院に入院していました。・・・・周囲から理解されず、不安になり、どうすればよいかわからず、モノや人に当たってしまうことも多く、常に反抗的で、屁理屈ばかり言う子どもでした。・・・友達からも先生からも嫌煙される毎日。・・・病院で出会った友達や優しく接してくれました。彼らも同じような環境や課題を抱えていたため、「自分は一人ではない」と思うことができました。そこで初めて、人の痛みを知るからこそ理解し合えるのだと痛感しました。今までの私は、友達と対等に遊ぶという経験がほとんどなかったのですが、桃陽病院で初めて「対等にかかわる楽しさ」を知りました。敷地内には、学校もありましたが、なかなか通えない時期もありました。そんなとき、保母さんが折り紙を教えてくださり、それが私の楽しみになりました。夢中でおりつづけ、当時は「折れないものはない」と思えるほど熱中できる趣味になりました。その経験が自信になり、学校にも通えるようになりました。病院を卒業した後は地元の中学校にも通えるようになり、人間関係も少しずつ良好になっていきました。最後に、私にとって保母さんの存在はとてつもなく大きいものでした。どんな時でも優しく寄り添ってくださり、その姿に強く憧れました。その影響もあり、私は今、保育士を目指しています。いつか、かつての自分のようにつらさ悩みをかかえるこどもたちを、保母さんのように導ける存在になりたいです」
●まだまだ、紹介したい声がありますが、是非、そういう卒業生たちの声などもしっかりと今後の病院の在り方の検討をしていただきたいと求めて質疑を終わります。
(更新日:2026年07月21日)
6月24日の文教はぐくみ委員会で、教育委員会報告「京都市学校部活動地域展開実施計画(案)について」の審議が行われた。各党の議員が順に発言する中、日本共産党からは、森田ゆみこ市議、河合ようこ市議に続き、私も質疑にたった。「京クラ」の「受益者負担」原則が経済格差による選択肢制限を生むと指摘し、市独自予算での財源保障を強く求めました。これに対し体育健康教育室担当部長は、全額公費は困難としつつも負担軽減を検討し、兼業教員の労働時間管理や外部指導者の支援を進める意向を示しました。詳細な制度設計はまだまだこれからですが「お金があるかないかで子どもの放課後に格差が生まれるようなことがあっては絶対になりません」と強く求めました。以下、私の質疑と答弁を紹介します。
1. 理念と受益者負担の矛盾について
とがし豊委員: 私からも、この「学校部活動地域展開実施計画案」について質疑をさせていただきます。
まず、理念と受益者負担という考え方のぶつかり合いについてお聞きします。本計画案は、「子どもを真ん中にしたウェルビーイングな街」や「全ての子に居場所と出番を保証する」ことを理念に掲げています。国際的な子どもの権利条約第31条でも、全ての社会において子どもが豊かに放課後を過ごし、文化やスポーツに親しむ権利を無条件に認めています。それなのに、この新しいクラブ活動「京クラ(きょうくら:学校管理外の地域クラブの愛称)」でお金を払う仕組み、受益者負担を原則にしてしまえば、家に金があるかないかで子どもの選択肢が制限されてしまいます。これは京都市が掲げる高い理念や、子どもの権利条約の精神と真っ向からぶつかっていると考えますが、教育委員会の見解を伺います。
体育健康教育室担当部長: 今回、ご指摘いただきました理念の部分ですね。子どもたちが将来にわたってスポーツや文化芸術活動に親しめる環境づくり、これを市民ぐるみで目指していきたい、その理念についてはその通りかなと思っております。
京クラに関しては、学校管理外の活動であるということで、子どもたちも自主的に色々な選択をしていくことが想定される中で、全てを公費で賄うと言いますか、どこで線を引くかということもあるんですけれども、全てを公費で賄っていくのはちょっと困難であると考えているところです。ただ、重ねて申し上げているところですけれども、それを理由にやりたい活動を諦めるといったことがないように、保護者の負担にはできるだけ低例に抑えられるように、引き続き検討を進めてまいりたいと思っております。以上でございます。
2. 現場のリアルな声と財源保障の必要性
とがし豊委員: やはり財源がネックになってくると思っております。この計画案に添付されております調査には、見過ごせない現場のリアルな声が詰まっております。中学生との意見交換会では、生徒から「お金が高くなると参加をやめる人が増える。チームの人数を集めるための地域移行なのに人が減ったら本末転倒じゃないか」と、極めて確信を突いております。
実際、アンケートでも地域クラブに参加したくないと答えた中学生の4.9%が「費用が心配」と答えており、体育振興会や地域団体からも「お金がむ種目ほどどうするのか」「ボランティアのみでは続かない」という悲鳴が上がっています。受けるサービスにお感を払う受益者負担という考え方には限界があります。子どもたちの豊かな課外活動を守るためには、しっかりとお金を出す財源保障が必要と考えますが、いかがでしょうか。
体育健康教育室担当部長: 本市といたしましては、京クラだけではなく、やはり平日放課後の子どもたちの居場所等については、しっかり学校管理下において色々な居場所を作っていくべきだという考えのもとで、本市独自の放課後活動「放活(ほうかつ:放課後活動の略称)」というのも設定をしているところでございます。
京クラにつきまして保護者の負担が発生することについては、本当に繰り返しになるんですけれども、これまでの部活動は、教員が本当に献身的に関わる中で保たれていました。これを今後継続していけるかと問われると、それもやはり難しいだろうと考えての今回の地域展開でございます。やはり、できるだけ子どもたちがそれによって活動を諦めることのないように、そういうことは本当に課題として捉えながら、引き続き予算の確保も含めまして制度設計を進めてまいりたいと思っております。以上です。
3. 京都市独自の財源確保と決断
とがし豊委員: 国からの予算がまだ示されていない状況で、一般財源からどれだけ持ち出せるかということが大きなテーマだと思います。京都市は令和8年、9年度に困窮世帯への支援など保護者負担を減らす検討をするとしています。しかし、計画案のスケジュール表には予算について「国の補助や寄付など歳入の見通しを踏まえて検討する」と、条件付きの注記が書かれています。これでは、国の補助金や寄付が集まらなければ十分な負担ができないという意味になってしまいます。国任せではなく、子どもの権利を完全に守るために京都市が独自の財源を持ち出すという強い決断こそ、今こそ打ち出すべきだと考えますがいかがですか。
体育健康教育室担当部長: 国の方の補助事業についても、本格実施に向けたいくつかの補助メニューというのはある状況なんですけれども、それが令和10年度にどうなっているかというのは、現段階では確かに不透明というところです。
その分、京都市としてどれだけ財源を確保していくか。我々としてもちろん子どもたちの環境を大事に整えていきたいですので、しっかりと要求もしてまいりたいと思います。広く我々として理念として掲げていること、それは京都市の学習構想との関係もございますし、市民の方にとってのスポーツ・文化芸術振興という大きな目標もありますので、そういったことを踏まえてしっかり京都市として予算も確保していきたいという思いを持ちながら、進めてまいりたいと思っております。
4. 参加費用の多様化と自由な選択におけるリスク
とがし豊委員: 先ほどからも議論がありましたけれども、やはり子どもたちの自由な選択が本当に守られるのかということが問われていると思います。市内15地域に分けてバランスよくクラブを配置して、新しい種目も作る。しかし先ほどからもありましたように、参加費が月額1,000円から3,000円という国のイメージだけでなく、種目の特性によっては月額4,000円程度など、多様な設定があり得るということであります。これでは「やりたいけれど月謝が高いから諦める」という子どもが出てきてもおかしくない金額だと思います。本当の意味で自由な選択にならないというリスクについて、教育委員会としてはどういう風に責任を持つということになるでしょうか。
体育健康教育室担当部長: 費用設定については、今は国の目安というところであります。先行他都市の自治体の例も見ているんですけれども、費用設定は結構様々でございまして、それよりも安く設定されているものから、それよりもちょっと高額になるものも含めて展開をされております。
それは子どもたちがより広く選択できるように、お金がかかってでも、遠くへ行ってでも活動したいという子どももいるとは思いますので、我々としては広く持ちながら、ただ高額ばかりになると確かに選択できないという可能性は出てくると思っております。本当に繰り返しになって恐縮なんですけれども、子どもたちの選択をそれで狭めることのないようにということは、教育委員会としてもちろん考えているところでございます。
5. 教員の労働時間短縮と「放活」による影響
とがし豊委員: 中学校給食もちょうど同じ時期に始まるということでありますし、私たちは中学校給食の無償化も求めています。クラブ活動は基本的には無料でやってこられたものでありますので、その点で新たな負担が子どもたちに被るということは回避したいということで、一定の予算の要求・要望を出されておりました。ただ、やっぱり「受益者負担」という教国の考え方に引きずられていると、どこまでも「これくらいはちょっと一部見てもらえませんか」というところにとどまってしまうので、そこは踏み込んで他の自治体とも協力していただいて、子どもたちのためになる地域展開をしていただきたいと思います。
次に、教員の働き方・健康の確保と、担い手の処遇の保証についてお聞きしたいと思います。まず、今回の部活動廃止と平日の放課後活動(放活)による教員の労働時間短縮がどうなるかということです。教員の働き方改革について、アンケートでは実に76.4%の教員が「休日の部活動が負担」と答え、平日の負担も合わせると約65%が限界を感じています。そうした中、令和10年8月末に従来の部活動を廃止して、平日の放課後は技術指導をしない「放活」で、見守りを中心の活動へと枠組みを変えるとしています。これによって実際の教員の時間は具体的にどれくらい短縮される見込みなのか、その辺の試算や見通しをお答えください。
体育健康教育室担当部長: 現状で申し上げますと、中学校の教員の超過勤務にあたっては、やはり中学校・高校の教員については、内訳を見ると部活動が占めていたという部分が多いかなと思います。令和6年度になりますけれども、中学校の超過勤務平均は39時間ほどである中で、およそ部活が1割から2割を占めているというような統計になっております。
単純に考えますと、ここが減ってくるかなと思うんですけれども、実態としては平日の勤務時間内に部活動に当たっていて、それが終わってから部活以外の業務に当たっていたという部分もございます。これらはあくまで単純に部活動に当たっていた時間が1割、2割という中ですので、そういった勤務のあり方の見直しになる中で、どれくらいの時間が軽減されるかというのは、ちょっと今は具体的には分からないという状況ではございます。以上です。
とがし豊委員: 土日がなくなるというのはちょっと大きいかなと思ったりはします。ただ、「放活」というものも入ってくるということで、放活で技術指導はなくなっても一応やっぱりそこに行ってコミュニケーションを取るという話もありました。そうなってくると、やっぱりその部分については労働時間として減るということにはなかなかならないですし、基本的には土日の減少ということを見込んでいるのかなと思ったりもしましたが、次の質問をしたいと思います。
6. 兼業・ボランティア指導における教員の健康管理
とがし豊委員: これは京クラにおける教員の兼業の関係ですが、心身の健康と時間管理ということでお聞きしたいんです。休日などの京クラについて、市は教員の兼職・兼業のルールを今後検討し、意向調査を進めるとしています。しかし、文部科学省のガイドライン等では、業務時間外にボランティアとして指導する場合は、校長への事前相談すら不要とする方向性も示されています。もし適切な労働時間管理からはみ出た形で、教員の善意やボランティアに頼って指導を続けさせるということになれば、結局教員の心身の健康を守ることができなくなる恐れがあるんじゃないかと考えます。徹底した時間管理を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
体育健康教育室担当部長: 現在検討を進めている兼業制度というのは、あくまでボランティアではなく、地域クラブの指導者として従事される中、報酬も受けられながら従事される中の労働時間、そういったことを踏まえての許可の基準について検討しているところでございます。もちろん、ご指摘のようにボランティアを推奨しているものでは決してないと考えております。以上です。
7. 兼業時の身分保障と処遇
とがし豊委員: 事前にちょっとお話しした時に、文部科学省が示したガイドラインを元に兼業について検討されているという話でした。ただ、そういう風にガイドラインに書かれてしまっているので、私はもしそうなってしまったら先生方の健康を守れないんじゃないかと大変懸念しています。ボランティアとして関わるということであっても、そのクラブに関わるということであれば、それはやっぱり地域展開の中で出てきたのが京クラなので、労働時間としてはやっぱりしっかりと見なければいけないと思います。
あと気になるのが、先生の身分がどうなるかということです。兼業した場合の先生の身分ですね。3割くらいの先生が、兼職とまでいくか分からないけれども、今後もそういう部活動、土日とかも含めて関わりたいと言っている状況の中で、兼業を申請される方もあるかと思います。そうした場合に、例えば1日の労働時間のイメージの中で、平日も含めて一般的には残業に当たるラインから、放課後に京クラへ平日行って、土日も行くとなると、これはもし部活であれば時間外労働ということになります。その部分については時間外労働という形で賃金計算するというのがガイドラインに書かれていました。
ただ、何かあった場合、例えば学校で何かありましたという場合に、子どもたちに対応しなければいけない。その場合は直ちに教員として復帰しなければいけないということで、そういうことをきちんと申しときなさいと留意事項で文科省の資料に書かれています。それを見ていると、結局、地域クラブと契約をしてその部分を行っていたとしても、実は教員としてのその期間は縛られている部分もあって。先生が京クラに関わっていて、例えば学校を早めに退勤して京クラに行った場合も含めて、賃金としてその部分については正規雇用の身分として保証されるのか。その意味で言ったら、もう正規雇用として処遇が維持されなければいけないと思うんです。ただ、実際にはそれをやろうと思ったら労働時間が伸びてしまいますから、学校で働く時間を短くしなければならないという話になってくる。そうなってきた時に、本当に正規雇用としての処遇が維持されるのかどうかということを心配するわけですが、その点いかがでしょうか。
体育健康教育室担当部長: 兼業にあたっては、あくまで正規、その地域、指導実施主体となる地域クラブの雇用者等に従事して働くということにはなります。ただ、許可にあたって、本来業務に支障を来さないということが前提ではございますので、何かしら本務の方であったらもちろんそちらの方に従事するというのが基本にはなってくるかなと思っているところです。以上です。
8. 通算労働時間の上限管理と教員の増員要求
とがし豊委員: そこでだからちょっと心配になってくるのが、前回委員会で中学校の先生の働き方を議論しましたけれども、普通に考えて、かなり部活がなかったとしても長時間働いているのが中学校の先生の大体の実態です。その先生方が京クラということで土日も出ていく、平日の夜も出ていくということになってくると、ちょっと相当な時間外労働をすることになると思うんです。そのトータルでの労働時間の管理はどこまで徹底されるのかということは、非常に懸念しているのですが、いかがですか。
体育健康教育室担当部長: やはり兼業の許可にあたっては、教員の心身の健康を守るということもありまして、国の手引きにおいても上限時間というのは労基法に基づく基準として定められている。それを超える場合には許可をしてはいけないという風な基準にはなっております。学校におけるいわゆる時間外の在校等時間、それと教員の方の指導に当たった時間というのは、やはり通算した上で上限を超えないように、それは管理する必要があると思いますので、どういった管理ならその成り立つ制度設計になるか、今進めているところでございます。
とがし豊委員: 結局、地域展開したとしても、労働基準法を超えて働かせるのは絶対にあかんと、当たり前ですけれども。過労死してしまいます。それでも今現実には、過労死ラインを超える働き方をしているというアンケートが出ていました。そういう状況にある中なので、月100時間とか、6ヶ月平均で80時間とか、それは過労死ラインと書かれているんですけれども、できるだけ45時間までに抑えるのが好ましい。そこまで精一杯働かせるという考え方を取ってはいけない。簡単に要約したらそういうことが書かれているんです。
私はその点で言ったら、やっぱり働き方改革ということで言えば、先生そのものを大きく増やしていくということをしっかり並行してやっていかないと、通常の京クラに関わらない先生も関わる先生も、本当に大変なことになると思います。是非その点で対応して、しっかり考えるルールを確立いただきたいと要望しておきます。
9. 外部指導者の確保と適切な報酬の保障
とがし豊委員: 次に、担い手の確保について伺いますが、団体の約57%が参入の意向を示している一方、一番の課題は「指導者の量の確保」となっています。現在、部活では関わっていない外部の指導者の57%が「条件に関わらず指導は難しい」と答えている。理由は仕事との両立や高齢化です。市は人材バンクを作って派遣する仕組みを検討中とのことですけれども、ボランティア精神や地域の善意だけに頼っていては、長く安定して子どもたちを任せることができません。民間から来ていただく指導者の処遇ですね、適切な給与や報酬を市が責任を持って保障しなければ、この大改革は破綻すると考えますがいかがでしょうか。
体育健康教育室担当部長: 指導者に対する謝礼ということです。これ、適正な参加費を求めていくこととの裏返しにもなるんですけれども、やっぱり団体にとっては必要な運営費が必要であって、そこには適切な謝礼もやはりかかってくると考えております。基本的には、京都市が直接雇用するということではなく、その実施主体に所属されている地域の指導者ということにはなるんですけれども、総体の運営費というものをいかに認定団体に対して支援をしていけるか、そういった支援策が今後も考えていかなければならない点であると思っております。
10. 学校現場への丁寧な情報共有と意見交換の場
とがし豊委員: よろしくお願いします。あと、これ今後、実施計画案というのを令和8年から9年にかけて検討する部分が多くて、肝心なお金やルールの具体像というのはまだちょっと見えない部分もあります。これらを検討していくにあたって、現場の先生方に対してやっぱりもっと情報を示していただきたいなと思いまして、現場の先生方の意見なんかもよく反映しながら進めていただきたい。ちょっと一定まとまったところで、どんな形でお伝えするのがいいのかは分からないんですけれども、是非現場の先生方が意見交換する場というのもやっぱり作っていただいた方がいいのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
体育健康教育室担当部長: 本件については、やはり中学校現場が1番影響するということで、あり方会議等にも校長会代表者に入っていただいたり、我々も必要に応じて管理職に対する説明等はしてるんですけれども、個々の教員に対して直接何かしらの説明会を実施するというようなところまでは至っていませんので、個々の教員の方の理解度にはやっぱり差があるというのが現状であるかなと考えております。
今後、先ほど申し上げた兼業制度、これを周知する時には各教員に対して意向なども聞こうと思っているんです。令和5年度の時には3割ということでしたけれども、それが現状どれくらい変わっているのかということもありますので、そういった声を聞く時には、制度の周知も含めて丁寧にはしていきたいと思っております。以上でございます。
とがし豊委員: よろしくお願いします。子どもたちが放課後にスポーツや文化芸術に親しむことは、個人の勝手なわがまま、いわゆる「受益」ではなくて、やっぱり社会全体で絶対に守らなければならない子どもの基本的な人権であり、公共の仕組みだと考えます。お金があるかないかで子どもの放課後に格差が生まれるようなことがあっては絶対になりません。国の補助金や不確定な寄付に依存するのではなくて、京都市が独自予算をしっかり持ち出して財政支援を行うという立場をしっかり表明していただきたい。そこに国の予算がついてくればさらに充実していくということだと思いますので、この立場で取り組んでいただきたいですし、そういう姿勢を地域展開を本格実施するための絶対の前提条件に据えるべきであることを強く求めて質疑を終わります。ありがとうございました。
委員会冒頭の教育委員会からの説明
体育健康教育室担当部長:それでは「京都市学校部活動地域展開実施計画案」についてご報告いたします。本日は、本市の部活動地域展開につきまして、これまでの経過等を始め、実施計画案の位置づけや概要、今後の主なスケジュールについて、15ページ目までの説明資料に基づき報告させていただきます。なお、16ページ以降の参考資料の内容は、1ページ目に記載の通りです。資料2、2ページにお移りください。
本市では、この間、有識者、地域スポーツ・文化芸術団体、学校及び保護者等の関係者からなる「学校部活動及び地域クラブ活動のあり方検討会議」において様々な議論・検討を重ね、昨年7月に「京都市学校部活動及び地域クラブ活動推進方針」を策定しました。
その後、具体的な制度化の検討を進めてまいりましたが、この度、あり方検討会議において「京都市学校部活動地域展開実施計画案」の最終取りまとめを行いましたので報告いたします。
資料下の箱書きに記載しておりますが、本市では原則として令和10年8月末で中学校部活動を廃止し、同年9月から新たに「京都市地域クラブ活動」、愛称「京クラ(きょうくら:学校管理外の地域クラブの愛称)」を創設するとともに、学校内での居場所や活動を確保する本市独自の取り組みとして、放課後活動、愛称「放活(ほうかつ:放課後活動の略称)」を各校で実施する新たな枠組みを開始することとしております。実施計画案におきましては、こうした新たな枠組みに関しまして、より詳細な内容や今後の計画について定めるものでございます。
なお、右側枠外の通り、愛称並びに京クラのキャッチコピー「隙が見つかる、街が広がる」につきましては、昨年12月に市民公募を行い、あり方検討会議で選考の上、決定したものでございます。3ページにお移りください。
参考としまして、部活動地域展開が進められている背景と本市におけるこれまでの取り組みについて記載しております。
近年の少子化による生徒や部活動数の減少、さらには教員の働き方改革を踏まえ、本市では庁内チーム会議やあり方検討会議を設置し、中学校部活動の今後のあり方等に関する議論を進めるとともに、推進方針の策定や地域スポーツ・文化芸術団体等への参入意向調査、小中学生並びに教員向けアンケート調査を実施するなど、課題整理や制度設計等にかかる検討を進めてまいりました。4ページにお移りください。
「2、実施計画案の位置付けについて」でございます。
本実施計画案は、国のガイドラインやあり方検討会議での議論を踏まえた内容を盛り込んだものであり、本計画は京クラの基本的事項や認定要件を始め、今後の準備を進めていくための共通の道しるべを示したものであり、引き続き京クラ及び放活の円滑な実施に向けて計画的に進めてまいります。次に5ページにお移りください。
「実施計画案の概要について」でございます。
実施計画案は主に7つの項目で構成しております。特に「1の京クラの基本的事項」と「2の京クラの認定要件・手続き・運営方法」につきましては、昨年策定の推進方針から具体化された部分になりますので、本日はこの部分を中心にご説明いたします。なお、資料下に用語説明を記載しております。
今後の説明におきまして、「実施主体」と「運営団体」といった表現を使用しますが、「実施主体」は京クラを実際に行う地域民間団体等を指し、「運営団体」は京クラの運営にかかる事務局機能、研修機能、相談機能等を担う団体を指します。
それでは6ページにお移りください。
初めに、本市が目指す改革の理念についてでございます。
推進方針でも掲げた通り、将来にわたってスポーツ・文化芸術活動に継続して親しめる環境づくりを通して、「全ての人に居場所と出番がある、子どもを真ん中にしたウェルビーイングな街」の実現を目指すことを理念としております。これは、本市で推進する「京都学芸構想」の具現化にもつながるものと考えております。
次に「京クラの基本的事項について」でございます。これは本市認定の地域クラブ活動である京クラの基本的な考え方を示したものになります。
まず、京クラはこれまでの部活動の教育的意義を継承した活動とし、地域民間団体等が実施主体となって取り組む「学校管理外の活動」であることとしております。
また、指導者でございますが、原則複数で対応することとしております。合わせて、指導者確保の観点も含めまして、市立学校教職員が希望する場合には兼業許可制度を活用して京クラでの指導ができるよう検討しているところです。
次に参加者でございますが、京都市立はもとより、国立、私立、他の市町村の中学生も参加可能としております。
また参加費等でございますが、参加費は受益者負担とし、青の箱書きにございます国が示す参加費のイメージを参考に、可能な限り定例な金額となるよう実施主体において定めることとしております。
次に活動場所は、市立中・義務教育学校施設や本市施設、実施主体が拠点とする民間施設等を想定しております。
最後に「整備の方向性について」でございます。京クラは生徒が在籍する学校の枠を超えて、多様な活動の中から等しく選択できる環境を整備する必要があると考えております。本市では、比較的広域と考えられる、記載の4つの行政区・教育区を細分化し、15の地域を基本としてバランスよく活動や活動内容の設定を検討することといたします。また、部活動にはない種目についても、実施主体の応募状況等を踏まえながら新たに整備したいと考えております。7ページにお移りください。
「3の認定制度について」でございます。
京クラは、競技力向上を主目的としたチーム・スクール等との区別や、子どもたちの安心・安全の確保等の観点から、国のガイドラインや実施計画で示す認定要件及び認定手続き等を基本とし、本市において認定を行う認定制度を構築することといたします。
なお、注釈1の通り、認定は本市が定める認定要件を全て満たすスポーツ・文化芸術活動を対象に行うものとしております。これは団体そのものを認定するのではなく、「要件を満たした活動を認定する」という意味合いです。
資料右側にイメージを掲載しておりますが、地域民間団体等が既存の活動1とは別に、新たな活動2を立ち上げ、その新たな活動2について京クラとして認定するケースもあり得うると考えております。
次に「京クラの認定要件について」でございます。資料下の表をご覧ください。基本的には国のガイドラインに準じたものとなります。
まず認定要件の1つ目としまして、学校部活動が担ってきた教育的意義の継承・発展、生徒の豊かで幅広い活動機会を保障するものであることを定めております。
次に2つ目として、活動時間は平日は1日2時間程度以内、休日は1日3時間程度以内、週あたり11時間程度の範囲内とし、週2日以上の休養日を設定することを定めております。
また3つ目には、可能な限り定例な参加費を設定することを定めるとともに、4つ目には複数人材による指導、不適切行為の防止徹底、さらには市が定める研修を受講し、登録された指導者による指導を行うことを定めております。
次に5つ目としまして、生徒の健康状態や暑さ指数(WBGT)等を考慮した適切な活動や、緊急時における危機管理マニュアルの整備、保険加入を行うことなどを定めております。
最後に6つ目、7つ目には、適切な会計処理や、営利を目的とせずに京クラを運営すること、さらには学校等との連携についての要件を定めております。8ページにお移りください。
次に「運営団体の設置について」でございます。
本市では、本事業を円滑に実施することを目的としまして、事務局機能や研修・相談機能、コーディネート機能等を担う運営団体を設置することとします。
資料下にイメージ図を掲載しておりますが、運営団体は本市の委託を受けまして、京クラ全体の事業管理を行うとともに、人材バンクの運用や参加者等の相談窓口などを担当する想定をしております。
一方、本市としましては、運営団体が取りまとめた申請内容を踏まえ審査し、京クラとして認定するとともに、京クラの実施主体への必要な支援等を行うなど、運営団体を通して事業全体を統括する役割を担う想定をしております。
9ページにお進みください。実施計画案では、改めて京クラと放活の関係について整理をしております。
両者の大きな違いとしましては、京クラは学校管理外、放活は学校管理内の活動である点です。その上で、主体や指導者、対象者、教員の関わり方、費用負担等にも違いがあります。なお、学校管理内の活動である放活の具体的事項につきましては、今後、中学校長会と連携しながら検討を進めてまいります。10ページにお移りください。
参考ではありますが、想定する京クラの活動日数は、平日2日、休日1日の週3日程度を想定しています。
その理由ですが、昨年度、当時の小学4年生から6年生を対象に実施した児童アンケート調査によると、「週に何日くらいスポーツや文化芸術活動をしたいか」という質問に対して全体の6割弱が「週に2〜3日」と回答したこと、また、地域クラブの活動実態や参加費等の負担を踏まえると、現在の部活動のような週5日の実施は困難であると考えているところです。11ページにお移りください。
同じく参考として、部活動地域展開後における生徒の週予定のイメージを掲載しております。
あくまで一例ではありますが、平日については1日2時間の活動となり、現在の部活動では平日は1日1時間程度の活動であることと比較すると、活動日数としては限られますが、1日あたりの活動は充実すると考えております。また、在籍する中学校によって異なる部分もあると思いますが、時間割によっては放活と京クラの両方の活動に参加することも可能となり、生徒自身の選択の幅が広がるものと考えております。12ページにお移りください。
ここからは「今後の検討事項とスケジュール」を記載しております。
まず12ページには、運営団体の設置や実施主体の確保に向けた検討事項を始め、制度設計やルール作りとして、京クラの実施主体への運営補助や保護者負担の軽減策、学校施設管理に関するルール、さらには指導者確保に向けた仕組みづくりや、ICTを活用した運営業務の効率化、配慮を要する生徒への対応などの検討事項を挙げております。
次の13ページにお移りください。同じく今後の検討事項として、具体的な枠組みを見据えた実証事業を始め、各種調査の実施や分析、放活に関するガイドラインの策定などを挙げております。
これらの項目の通り、まだまだ検討事項が山積しておりますが、より一層のスピード感を持って計画的に検討を重ね、準備を進めてまいります。14ページにお移りください。
「4、今後の主なスケジュールの予定について」でございます。
今年度は、先ほど申し上げた制度設計等に関する検討を進めるとともに、京クラの実施主体の公募や運営団体の立ち上げに向けて準備を進めてまいります。
資料左側に記載しておりますが、本年7月に実施計画を策定した後、各種調査に取り組みながら実施公募にかかる募集要項の作成を行います。その後、来年1月には実施主体を公募し、来年度4月以降に京クラの認定を行うとともに、体験会なども実施していく予定です。また、運営団体につきましても今年度に募集要項を作成し、立ち上げの準備を進めてまいります。
スケジュールについては状況により見直す可能性もありますが、適宜、子どもや保護者、市民の皆様への丁寧な情報発信に努めてまいります。
最後になりますが、15ページにお移りください。
先ほど今後のスケジュールの概要を申し上げましたが、実施計画案本体では、想定している検討事項と検討実施時期について表形式でお示ししているところです。
次からの16ページ目以降は、これまでのアンケート結果をまとめた資料や実施計画案の本冊となりますので、合わせてご参照ください。
説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
(更新日:2026年06月28日)
子育て支援担当部長による陳情への補足説明
子育て支援担当部長 それではご説明いたします。 陳情第4619号「京都市桃陽病院の今後のあり方について」です。
桃陽病院のあり方については、令和7年12月の文教はぐくみ委員会にご報告の通り、開設から40年以上が経過し施設及び設備の老朽化が進んでいること、少子化などにより患者数は減少傾向にあることなど、様々な課題を抱えております。令和5年度の包括外部監査においても「あり方の検討が必要」との意見が付されていることを踏まえ、「京都市桃陽病院の今後のあり方に関する検討会」を設置し、現在議論をいただいているところでございます。
陳情項目の1つ目、「京都市桃陽病院のあり方に関する検討会メンバーに桃陽病院の職員や創設の歴史を知る委員を加えること」についてです。 検討会には、学識経験者や関係団体の代表だけではなく、桃陽病院にも関わってこられた医師などにも参画いただいているほか、病院(病院長)が事務局として参加し、現場の意見についても資料で紹介しております。なお、病院職員は本件に関する利害関係者の1人であり、公明正大・公平な議論を確保する観点から、委員としての参画はさせておりません。
陳情項目の2つ目、「京都市桃陽病院の今後のあり方検討にあたっては、存続・拡充の方向性を基本として、子どもたちの最善の利益を保証する立場でおこなうこと」についてでございます。 検討会においては、廃止や存続を前提とせず、様々な角度から多様なご意見をいただきながら慎重に議論を重ねており、こうした進め方が子どもたちの最善の利益の保障につながるものと考えております。
なお、陳情者からは本件に関する懇談の場を設けるよう要望されていますので、適切に対応してまいります。 説明については以上です。
「桃陽病院の今後のあり方」陳情審査 質疑応答
とがし豊委員 この陳情第4619号「桃陽病院の今後のあり方」について質疑をさせていただきます。 この陳情では、桃陽病院は1952年以来、子どもたちの療育と教育を両立させ、行政的な縦割りを越えて子どもの権利を保障する施設であり、全国的にも先進的な施設であると書かれています。京都市自身の認識をまず確認したいと思います。
子育て支援担当部長 私どもの桃陽病院についての認識でございますが、昨年の委員会でも報告の通りでございます。 桃陽病院は昭和27年に小児結核保養所として開設したことに始まり、時代の変遷に合わせて、慢性疾患等の小学校児童及び中学校生徒に対し入院治療と療養指導を行うとともに、同疾患の20歳未満の者に対する外来診療を行っているところでございます。 また、隣接の桃陽総合支援学校におきましては、入院療養している児童及び生徒が治療を受けながら義務教育を受けられる体制を整えております。療育と教育を一体的に行う、全国的にもまれな公立の療育施設として重要な役割を果たしてきたところでございます。 しかしながら、開設から40年以上が経過しております。施設・設備の老朽化が進んでいること、少子化などにより患者数は減少傾向にあることなど、様々な課題を抱えているところでございます。令和5年度の包括外部監査におきましても「あり方の検討が必要」との意見が付されているところでございます。こうした状況を踏まえまして、外部有識者を交えたあり方に関する検討会を設置の上、現在慎重に議論をいただいているところでございます。
とがし豊委員 今、慎重に検討されているということなんですけれども、この桃陽病院で子どもたちのケアに関わる看護師、保育士等の意見や、創設以来の歴史を理解している者の知見を踏まえるのはごく当然であり、委員構成の強化を願いたいということで、委員構成を補強してほしいという要望が出されています。 この点で言うと、医師の方も入られているとお聞きをしておりますけれども、小児科や児童精神科のお医者さんなどもいらしたことがあるとお聞きしているのですが、こうした方も含めて委員を充実させるということについてはいかがでしょうか。 また、先ほど現場で働いている看護師、保育士については「利害関係者だから入れられない」というお話だったのですが、何らかの形で直接意見を聞くとか、検討会に反映するということは考えられないでしょうか。
子育て支援担当部長 現場の職員の意見の検討会への反映でございますが、すでに第2回の検討会において実施しております。 具体的に第2回の検討資料に基づいて申し上げますと、あり方の方向性案を検討する上での前提条件としまして、まず令和8年2月25日に桃陽病院の幹部職員からヒアリングを実施した結果ということで、桃陽病院の患者像や入院教育機能の特徴、医療提供体制と経営上の課題、及び今後のあり方に関する認識について、それぞれ幹部ヒアリングを行ったことでございます。 それから、幹部だけではなく職員1人ひとりの声が大事ということでございまして、病院の職員1人ひとりについても意見を求めてきたところでございます。こちらにつきましても、同じ資料でしっかりご紹介しております。 とりわけ評価と方向性というところについて申し上げますと、桃陽病院の存在意義と価値ということで、「入院しながら学校に通える施設として、不登校、発達障害、困難な児童へ安心できる居場所と治療・教育の機会を提供している」といった意見、あるいは「社会的弱者への包括的支援、小集団生活を通じた自尊心回復、社会性・対人関係能力の育成など、行政が担うべき重要な役割を担っている」といった意見がございました。 一方で、「現体制での入院医療は財政的に維持困難」「財政赤字や人員不足の中、医療と教育の無理な一体化は支援の質の低下につながる」といった意見もございました。そういった状況でございます。
とがし豊委員 児童精神科の先生なども、これは検討会などに加わられているのでしょうか。
子育て支援担当部長 児童精神科の医師も参画いただいております。
とがし豊委員 今、あり方検討会にも確かに資料で各意見が出されていたわけなんですけれども、やはりこれだけ現場の実情などをよく知っておられる方なので、病院長は(事務局として)参加されているとのことですが、そうした現場スタッフサイドの声も直接交えて検討がされた方がいいのではないかなということで、この点は要望しておきます。 それから、桃陽病院の今後のあり方の検討にあたっては、京都市が地方自治法に基づく住民の福祉の増進義務、国連子どもの権利条約に基づく子どもたちの最善の利益の保障義務を果たし、間違っても廃止ありきの検討を行うべきではないと指摘されているのですが、再度この点についてどのように受け止めておられるでしょうか。
子育て支援担当部長 まず、病院職員の参画につきましては、先ほどのご説明の通り、病院職員は利害関係者でございます。病院長は事務局として参加しておりますが、職員1人を委員として参画させる予定はございません。 それから、陳情書の中の指摘についてでございます。陳情書の方では、「市による直接の医療機能・臨床機能を主に経済的観点から後退させ続けてきた」とか、あるいは「従来同様の発想でそれが検討されるとすれば、それ自体が子どもの権利を毀損する行い、国際的な子どもの権利に関わる合意に反するものである」とされております。これらは過去の身体障害者リハビリテーションセンター、あるいは急病診療所の見直しについて述べているものだと思われますが、それぞれ利便性の向上などのために見直しをしたものであり、市による直接の医療機能を経済的観点から後退させ続けたものとは一切考えておりません。 さらには、「従来同様の発想で検討されるのであれば、それ自体が子どもの権利を毀損する行い、国際的な子どもの権利に関わる合意に反するものである」とされておりますが、私どもでもそういった認識は一切ございません。
とがし豊委員 私としては、やはりこの桃陽病院を高く評価をされている皆さんから出されている要望であって、今までの流れの中で色々こう公的な機関が次々とリストラされてきているという流れの中で、「利便性」とか「財政」ということで簡単に切られてはならないという思いを持って、そういう危機感を持って要望されているということですので、その辺をやはりしっかりと受け止めていただきたいと思います。 検討会の資料では「病床が過剰」という記載などもあるのですが、しかし例えば、この桃陽病院自身が設置されて以降、絶えずその時々の必要性に応じながら発展してきたという経過があります。今の病院の非常に優れた環境ということを考えますと、例えば「ゲーム依存症」など、この児童精神科の新しい領域での拡充などがあれば、病床の必要性も実は高まっていくのではないかということも考えられるのではないかと思います。この「存続・拡充」の方向性を基本として、ぜひ子どもたちの最善の利益を保障する立場で検討していただきたいという風に思いますけど、いかがでしょうか。
子育て支援担当部長 私どもとしては、子どもたちの権利を最優先として検討していくということでございます。 その上で、病院の存続を前提とする検討をするつもりはございません。廃止を前提とする検討をするつもりもございません。廃止あるいは存続といった前提を置かず、子どもたちに何が大切かという観点から、今後も慎重に検討してまいります。 なお、桃陽病院につきまして、今「ゲーム依存症」の例がございましたが、「何らかの新たな役割ができるのではないか」といったご意見は検討会の中でもございました。一方で、残念ながら桃陽病院の建物につきましては築40年以上を経過しているということで、今後そういった新たな展開をするのであれば、建て替えや大規模な改修といった費用が発生するところでございます。そういった機能につきましても、ここ(桃陽病院)でやるのが最適なのかどうかといった観点からの検討が必要かという風に考えております。
(更新日:2026年05月28日)